早めの検診をお薦めします。
◎頭痛にはどのような種類があるのでしょうか?
頭痛は ●一次性頭痛 ●二次性頭痛に分けられます。
◎一次性頭痛とは何ですか?
頭痛と随伴症状自体が病因であるものです。
一次性頭痛は
(1) 片頭痛
(2) 緊張型頭痛
(3) 三叉神経・自律神経性頭痛
(4) その他の一次性頭痛
に分けられます。一次性頭痛の頻度だいたい、
●緊張型頭痛 69%
●片頭痛 16%
●その他 15%
◎二次性頭痛とは何ですか?
外因性の病因による頭痛です。
◎二次性頭痛の中身は?
様々な病因がありますが、
●感染によるもの 63%
●頭部外傷 4%
●血管性疾患 1%
●クモ膜下出血 1%
●脳腫瘍 0.1%
◎どちらが怖い?
一次性頭痛は重度の機能障害、日常生活のQOLに障害を来す可能性はありますが直接生命に危険が及ぶ可能性は低いと思われます。 二次性頭痛は感冒による頭痛などが多いですが、クモ膜下出血など生命に直接危険が及ぶものも含まれ注意が必要です。
◎頭痛の注意すべき点
急性か慢性かは一つのポイント!急激に最近生じた頭痛は、慢性の頭痛患者に対する対応とは違うべきである。 このような急性の頭痛は、繰り返す頭痛に比べ潜在的に重篤な原因による頭痛の可能性がかなり高い。
◎危険な頭痛を疑うのは?
●突然発症の頭痛
●初回の激しい頭痛
●今までで最も強い頭痛
●頭痛に先行する嘔吐
●数日~数週にわたる亜急性の増悪
●体を曲げたり、ものを持ち上げたり、咳嗽により誘発される頭痛
●睡眠を妨げる頭痛、もしくは起床直後に起こる頭痛
●既知の全身疾患
●55歳以上で初発の頭痛
●発熱や説明不能な全身徴候
●神経診察の異常所見
●局所の圧痛を伴う頭痛
◎頭痛による日常生活の支障度を評価する方法①
こちらをクリック↓
頭痛の支障度テスト
◎頭痛による日常生活の支障度を評価する方法②
こちらをクリック↓
頭痛についてのアンケートMIDAS版
頭痛についてのアンケートHIT-6版
◎慢性頭痛の簡易診断
◎片頭痛の簡易診断
早めの検診をお薦めします。
◎めまいとはなんでしょう
めまいとは、身体の安定感が失われた状態。めまいは自覚症状であり、他覚的に異常がなくても本人が安定感を欠いた自覚があれば、 めまいあり、ということになります。
◎からだの平衡に関与するもの
ものを見る視覚
三半器官が関与する平衡覚前庭迷路
筋肉・関節などの深部知覚や皮膚などの表在知覚体性感覚
↓
上の情報を中枢で統合・制御
↓
眼球運動・四肢や体幹の運動・自律神経に働きかけ調節
◎めまいの性差と好発年齢
めまいは女性に多い。年齢が高くなるにつれ、めまいを訴える症例は多くなるが、ピークは50~70歳前後である。
◎症状からみためまいの分類
●自己運動感の明確なめまい
●回転性めまい
●身体傾斜感・直線的運動感
●自己運動感の不明確なめまい
●浮動性めまい
●身体の不安定感
●平衡障害
●失神性めまい
●失神を伴う転倒発作
●眼前暗黒感
◎原因からみた、めまいの分類
●末梢前庭性めまい(耳が原因のめまい)
50%以上
●中枢性めまい(脳が原因のめまい)
10%内外
●心因性めまい(心が原因のめまい)
10%内外
その他の約30%は分類不能なもの
◎めまいの病変は
回転感が強い場合
半器官系の障害の可能性 大
回転感ではない運動感の場合
耳石器系の障害の可能性 大
◎めまいの診察のポイント
[めまいの性状把握]
●発症様式:発作性か持続性か持続時間
●頻度:初回か反復性
●誘因:
●随伴症状:
●既往歴:
●家族歴:
◎末梢性めまいの鑑別のポイント
●単発性か反復性か
●蝸牛症状(聴覚症状)を伴うか否か
●誘因の有無
◎単発性の場合
●蝸牛症状なし 前庭神経炎
●蝸牛症状あり 突発性難聴
●内耳炎
●他の神経症状を伴う 顔面神経麻痺⇒Ramsay Hunt症候群
◎反復性の場合
●蝸牛症状なし 耳石器性めまい
●蝸牛症状あり メニエール氏病・外リンパ瘻 など
●蝸牛症状あり 真珠腫性中耳炎・外リンパ瘻 など
◎誘発性の場合
●蝸牛症状なし 良性発作性頭位めまい症
●蝸牛症状あり 真珠腫性中耳炎・外リンパ瘻 など
◎末梢性めまいの三大疾患
●良性発作性頭位めまい症
●メニエール氏病
●前庭神経炎
◎めまいを持続時間で鑑別
[めまいの持続時間]
秒単位 ⇒ 良性発作性頭位めまい症・起立性低血圧
分単位 ⇒ 一過性脳虚血発作・前庭片頭痛
時間単位 ⇒ メニエール氏病・前庭片頭痛
日単位 ⇒ 前庭神経炎
◎中枢性めまいには
●脳血管障害性疾患
●脱髄性疾患
●変性疾患
●代謝・栄養性疾患
●奇形
●腫瘍性疾患
●薬剤性疾患
●その他
◎中枢性でも末梢性でもないめまい
●心因性めまい
●体性感覚性めまい⇒末梢性神経障害・加齢など
●自立神経性めまい⇒起立性調節障害・起立性低血圧
●循環器系障害によるもの
●内分泌系障害によるもの
●運動器系障害によるもの
◎めまいの治療方法
●生活習慣の改善
●薬物療法
●理学療法
●外科的療法
●心理療法
早めの検診をお薦めします。
◎しびれとは
しびれは、痛み以外の異常感覚を表現する言葉です。しびれには、外部からの刺激がないのに生じる 自覚的異常感覚と、触られるとピリピリするというように外部からの刺激を別の感覚に感じる他覚的異常感覚があります。
◎しびれという言葉は幅広い
●感覚異常には陽性症状と陰性症状があります。
●陽性症状:ピリピリ感・ずきずき感・ジンジン感・チリチリ感・
物がはりつく・ひきつり感・焼けるような・電気が走るような・など。
●陰性症状:感覚機能の脱失。
●しびれは陽性症状の範疇にはいります。
◎顔面・頸部の限局したしびれ
●三叉神経と上部頚髄の神経が関与。
●顔面・舌・口腔粘膜・頭部前半部分は三叉神経が担当。
●残りの部分は第2と3頸神経が担当。
●三叉神経の核(中心部)は上部頚髄まで及んでおり、
上部頚髄病変でも顔面のしびれが生ずることもあります。
●顔がしびれるという訴えの中で意外に多いのは顔面神経麻痺です。
これは感覚神経は含まれていませんが、顔面麻痺に伴う違和感をしびれ、
という言葉で表現されることが多いようです。
◎上肢に限局したしびれ①
●上肢を支配する神経根や末梢神経の障害によるしびれで
臨床的に多いです。
●神経根障害の多くは頸椎椎間板ヘルニアか変形性頚椎症です。
●頸椎椎間板ヘルニアでは第7頚神経が、変形性頚椎症では
第5,6頚神経が障害されることが多いです。
◎上肢に限局したしびれ②
●末梢神経では、橈骨神経・尺骨神経・正中神経が障害されやすいです。
●障害の発生する部位は橈骨神経では腋窩や上腕外側が、
尺骨神経は肘が、正中神経は手首が多いです。
●神経根障害によるしびれや痛みは、咳やいきみ、頸部の動きで
悪化しやすいです。
●しびれや痛みは、第5頚神経では肩と上腕外側に、
第6頚神経では前腕外側から拇指・示指に、第7頚神経では
上腕三頭筋・前腕中心部・中指に、第8頚神経では肘・小指に、
しびれ痛みは放散することが多いです。
◎上肢に限局したしびれ③
[橈骨神経障害]
●感覚は周囲の末梢神経と二重支配が多く感覚障害は
はっきりしないことが多いです。あっても拇指と示指の手背部に
限局されます。
●感覚障害より運動神経麻痺が主症状で筋肉は、前腕の手の甲側で、
指や手首の伸展する筋肉の麻痺が起こります。
●手首を伸展する筋肉がうまく働かないため、指を曲げる筋肉は
麻痺していないのに、ものをうまく握ることができなくなります。
●別名;「土曜の夜の麻痺」とも呼ばれ、恋人を腕枕をして
発症することもあります。
◎上肢に限局したしびれ④
[正中神経障害]
●手首で障害される手根管症候群が多いです。これは女性に多いです。
●感覚障害は手掌と第1~3手指および第4手指の橈側半分です。
●運動機能は前腕の回内や手首の屈曲、手指の屈曲、さらに手部では
母指の付け根の筋肉などを支配し、動きが障害されます。
◎上肢に限局したしびれ⑤
[尺骨神経障害]
●尺骨神経は肘で障害されることが多いです。
●感覚障害は手首より末梢の第4手指の尺側半分と第5手指だが、
しびれはつよく手から前腕に及ぶものが多い。
◎下肢に限局したしびれ①
●上較すると末梢神経障害は少なく、神経根障害が多い。
●多くは腰椎ヘルニアや変形性腰椎症によるものです。
●両者とも第5腰神経や第1仙骨神経の場合が多いです。
◎下肢に限局したしびれ②
●下肢の神経根障害の検査では、運動系の検査より感覚系の
検査所見が有用です。
●この理由は下肢筋肉は上肢に比較して、複数の神経根で支配されており、
萎縮や筋力低下の所見がとりにくいからです。
●神経根障害と感覚障害部位の関係は、
L2,3は大腿前部、
L4は膝の前から下腿内側、
L5は下腿外側と足背内側、
S1は下腿後部から足外側、
S2~5は陰部・臀部・大腿後部である。
◎下肢に限局したしびれ③
[末梢神経と感覚障害部位の関係は]
●大腿外側皮神経:大腿外側
●大腿神経:大腿前面から下腿内側
●閉鎖神経:大腿内側
●腓骨神経:下腿外側から足背部
●脛骨神経:下腿後面から足底部
●坐骨神経:腓骨神経と脛骨神経の範囲
◎下肢に限局したしびれ④
[末梢神経の障害部位や原因]
●大腿外側皮神経:鼠径靭帯下通過部。(肥満・妊娠)
⇒ meralgia paresthesia
●大腿神経:腹部腫瘤、動脈瘤、糖尿病など。
⇒大腿四頭筋の筋力低下と萎縮
●腓骨神経:腓骨頸部での障害。
⇒下垂足
●脛骨神経:内顆の下方にある靭帯通過部。
⇒足根管症候群
足底のしびれや痛み。
足底筋の筋力低下や筋委縮。
●ポリニューロパチー:両下肢遠位部から左右対称性に上行。
◎身体の半側に限局するしびれ
顔面を含む半身のしびれ
対側視床の病変によるものが多い。
一側の顔面と反対側の半身のしびれ 脳幹病変 Wallenberg症候群など。
◎その他のしびれ
●四肢末梢部の発作的なしびれ
●殆どが不安神経症などの過呼吸によるものが多い。